第1章 ※月夜の軌跡 9章

「怖がる必要は……ない。が気をやるまでこうしている。何も考えず、抗わず……身を委ねてみてくれ」

意識が遠のきそうになっている状態で、杏寿郎の声は朧気にの耳へと届いた。

「んっ……そんな……杏……寿郎君も……一緒じゃなきゃ」

もう意識の大半は飛んでいるが、辛うじて残っている僅かな意識を掻き集め、はそれら全てを手に集中させて上下に動かした。

「、今動かされると……まずい」

そう言ってもの手は止まらず、代わりに恍惚とした笑顔を向けられて杏寿郎の体全てが反応し、ビクンと昂ったモノが脈打つ。

「その表情……唆られるな」

普段のでは考えられないほど色気のある表情に誘われるように、杏寿郎は花芯に触れている指の力を僅かに強めて刺激を与え、の思考能力を完全に奪った。

「ひゃっ……んぁ！あっ……また……お腹ピリピリ……する……んん」

強い快楽に開かれた瞳は朧気に杏寿郎の姿を映しているが、何が見えているのかもはやは判断出来ずにいる。

「それが……イクという感覚だ」

「……イク……？ぁ……や、お腹……苦し……あぁっ！」