第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後
「んぁっ!はぁ……んーーっ」
「すまない!すぐに……」
痛みからかは分からない。
それでもポロポロと涙を流すに胸が締め付けられた杏寿郎は慌てて指を外へ出そうとするが、その動きはの手によって止められた。
「痛みはない……んです。初めての感覚で……涙が出ただけだから。杏寿郎君の……指の温かさで蕩けてしまいそう……」
指は動かしておらず静止させたまま。
それだけでも今のにとっては強い刺激なのだろう、頬を紅潮させて瞳はギュッと瞑った瞼で隠されている。
小刻みに震える体は杏寿郎の指に感じているのだと嫌でも理解出来た。
「驚かせてすまなかった。だが今のを見ていると……少し先を見てみたいと思ってしまうな」
「先……ですか?何を……ひぁっ!ぁ……やぁ、んんっ。動かしちゃ……はぁ、はぁ……んぅ」
僅かに指の腹に力を入れて抽出を繰り返しナカを擦ると、杏寿郎の胸元に預けられていた背中が反り返り温かさが離れてしまった。
それがの不安を煽ったのか、涙がとめどなく流れ温かさを求めて縋り杏寿郎の腕にキュッとしがみつく。
「離れないで……下さい。もっと……近くにいて……」