• テキストサイズ

【名探偵コナン夢】 フルーツサンド 【短編集】

第3章 ラブ・エモーション【沖矢昴】*






「うぅ…これで大丈夫かな…変じゃ、ないかな…」



鏡の前でくるくると自分を見てみる。

あんまり気合い入れたような格好も恥ずかしいし、

かといっていつものような汚れても良い服でも失礼だし…

一応、お気に入りのシンプルなワンピースにしてみた。

涼しげなアイスブルーが爽やかだ。

いつも縛っている髪を下ろして、少しだけ巻いてみる。


出発の時間が近づいてくるにつれて、

ドクン、ドクン、と心臓がうるさくなった。







「先生、こちらです」





駅に着いて連絡をすると、沖矢さんがすぐに迎えにきてくれた。




「こ、こんにちは…」


「ふふっ、もしかして、緊張してます?」



クスクスと笑う沖矢さんにつられて、私も笑った。

あぁ、この笑顔を今日は私が独り占めできるんだ。



「素敵なワンピースですね。よくお似合いだ。
さぁ、こちらにどうぞ」



小さな赤い車の助手席のドアを開けて待ってくれている。

ありがとうございます、と言って乗り込むと優しく閉めた。






「……え?ここ…沖矢さんのお家…ですか?」




目の前には絵本の中でしか見たことの無いような豪邸がある。





「ええと、話すと長くなるので…
訳あってお借りしているのですよ」




慣れた手つきで鉄の門扉を開けると、石畳を進んでいく。

あまり聞かない方が良いのかなと思い、それ以上は口をつぐんだ。




「では先生はこちらに座って頂いて…」



キッチンダイニングに通され、引かれた椅子に腰掛けると

すでにお皿やグラス、カトラリーが綺麗に並べられていた。




/ 32ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp