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ムーンストーン

第3章 隠された場所



長は介助の人を下がらせると部屋は晶と魔法使いと長だけになった


長「わざわざ遠い所から出向いていただき誠にありがとうございます。老衰ゆえ、ご覧の通りこのような体の状態でお話することをお許しください……」


晶「いえ、お気になさらずに。早速本題に入りたいのですが、依頼の内容について詳しくお聞かせ願えますか?」


長「そうですね……ことに気が付いたのは3ヶ月ほど前、夜目覚めた村の子供が隣で寝ている父親がフラリと起きて家から出ていくのを見たのがきっかけです。子供が父親の後をつけると、村中の若い男という男が皆森の奥に消えていっていたらしく……子供は恐ろしくなり家にかえりそのまま寝たようですが、朝になると何事も無かったかのように父親が隣で寝ていたそうなのです。子供が母親にその事を伝えても夢だと言われたそうなのですが、確かに森の方に歩いていった足跡があったためそれから毎晩見張りで起きていようと言うことになったのです。そして1ヶ月後の満月の夜、いつも見張りでいた若い男達が急に眠り始めたのです。それから一斉に女性も眠り始めました。これはただ事ではないと起きていた老人や子供達がゆすって起こすも一向に目は覚めず……遂に男達が目を覚ましたかと思えばフラフラと森の奥に消えていったのです……跡をついて行った子供らもいましたが皆途中で迷い込み終ぞ辿り着けなかったようで……その話を聞いた私はもしや大いなる厄災の影響なのでは、と思ったのです」


晶「なるほど……」


長「実は代々長だけに言い伝えられていることなのですが、この村は魔女さまが守って下さっているのだそうです……私も前の長もその前の長も姿を見たことは1度も無いですが、確かに居るのだと、そう言われてきました」


フィ「魔女……か」


フィガロが小さな声で呟く
他の数人も色々と考え事をしているようだった


長「もしもこの地が魔女さまに守られているのなら、今回の事件は前回の大いなる厄災によって魔女さまに何かあったのでは……と私は考えて依頼をお送りした次第です」


晶「分かりました。できる限りの事はさせていただきます、調査のため数日ここに滞在しても大丈夫でしょうか」


長「もちろんです、もう日が暮れてまいりました。今日はお休みになられた方がよろしいかと、案内させます」


晶「ありがとうございます」



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