第1章 序章
私はは、2年3ヵ月付き合った証券会社勤めの彼氏と別れた。きっかけは、その彼は食事をするときに「クチャクチャ」と音を立てる、いわゆる『クチャラー』と呼ばれる存在であり、それが火種となって大きなケンカに発展したことだった。
「もう、エリートなんか信用できない…。」
そんな折、自分への慰めとして、近くにあるPARC○で高級コスメを爆買いする。
ちょうどキャンペーンで、台湾旅行が当たるガラガラのくじ引きをしており、私ははくじ引き券を1枚手に入れた。
「どうせ私なんて、ティッシュしか当たらないわよ…」
そうは言いつつも、ひそかに期待する胸、高鳴る鼓動、一応の願いを込めつつ、右手を時計回りに回す。
ガランガラーン!!
『おめでとうございまーす!!1等賞、台湾旅行5泊7日の旅、ゲットでーす!!!』
なんと…こういうこともあるのか。
私の男運は全てここに回されていたのね…
ガラガラくじだけに……
こうして、私は傷心旅行と銘打って、台湾へ旅経つことになるのだった……
まさか、あんな出会いがあるとは知らずに…