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walking proud~呪術廻戦~R18~

第20章 curse


ボロボロの灰原に肩を貸してなんとか歩いていた。


「……七海ぃ…僕…こんなに怪我して…
…夏油さんに怒られちゃうかなぁ…」

「……でしょうね。」

「はは…どうしよ、怖いなー…夏油さんああ見えて、マジギレすると怖いんだよー…」

「知ってます…」

「一緒に怒られて〜…」

「嫌です、せいぜい頑張ってください。」

「えー…ゴホッゴホッ…ゲホッ…七海のけちぃ〜…」

「もう喋らないでください。頼みますから…。」


しばらくして、ピタリと灰原の足が止まった。


「……ぐ…っ…下ろせ、七海。」

「……ダメです。耐えてください」

「いいから下ろせ!!」


こんな状態でそんな声量が出せるはずはない。
なのに、灰原はものすごい大声でそう言った。


ゆっくりと下ろし、建物に背を預けさせた。

灰原は自嘲気味に笑っている。

「…ふふっ…七海…」

「なんですか。」

「僕ねぇ…これは言うかすごく悩んだんだけど…」

「…これ…とは。」

「…これを言ったらきっと…七海は今後ずっと苦しい思いをするだろうから……でも…言わなかったら僕…絶対後悔する、だろうからっ……」


灰原は苦しそうに顔を歪めながら、徐々に目が虚ろになっていく。


「…言ってください」


「もう僕は…ダメだ。だから…最期は悔いなく終わりたいんだ…」


「…だから…なんですか……」


正直、その先を聞くのが怖かった。
でも、聞かずにはいられなかった。




「…七海、あとを…頼んだよ。」





そのまま灰原は動かなくなった。





ダメだ灰原…

その言葉は "呪い" だ。



永遠に私を呪い続ける。

いつか死ぬその時まで…。



"あとは頼む"




それは、言われた者を呪ってしまう。


だから…残された者に、
それは決して言ってはいけない。





"呪術師は時に、
仲間に“他人のために命を懸けること”を強要しなければならねーんだ"


クマの言っていた言葉が反芻された。
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