第20章 ホワイトデー
そして、ホワイトデーの日がやってきた。
スタッフからは一同で箱菓子を貰い、陸と天からは紅茶セット、叔父さんからは紡と3人で豪華ディナーへ。
悠斗とお父さんからは飴と人気の部屋着を貰った。
万はいつも私が好きなお菓子屋のケーキをくれる。
今年は苺のクリームチーズケーキだった。
千からはマカロンの詰め合わせ...
「ねぇ、マカロンあげる意味って知ってる?」
「知りません・・・」
バレンタインの時に調べたから本当は知ってるけど、何言われるか怖いから知らない振り。
百とはあれから気まずい感じが続いてて、今日も1回も会えていない...
(はぁ・・・やっぱり避けられてる、よね・・・別なのあげたのダメだったかな・・・)
万は会ったって言ってたからいるはずなのに...
別にお返しを期待してとかじゃないけど、本当に何もなしと思うと少し悲しい。
ライブが終わって外に出ると、万が誰かと話していた。
「どうしたの?」
「百くんが七桜のこと待ってたんだって」
嘘だ...あんなに避けてたのに信じられん...迷惑だったとか言われるのかな。
「じゃあ、俺たち先に帰るから。百くん、悪いんだけど七桜のこと途中まで送ってくれる?1人で帰すわけにはいかないんだ。よろしくね!」
「万、ちょっと!」
千は抵抗しながら万に無理矢理連れて行かれ帰って行った。
2人にされても気まずい...
「七桜さんの家ってどっちですか?」
「あっち・・・」
「行きましょうか」
家の方向を教えて、いつも送ってもらう場所まで向かう。
「万が無理言ってごめんね」
「い、いえ。俺が好きで待ってただけなので」
それだけ話し、お互い無言に...
非常に気まずい...何か話した方がいい?どうしよう...
てか、そろそろ着いちゃうな...
「百、ここでいいよ。いつもここまで送ってもらってるから」
「そうなんですね・・・」
何か、百の様子が変...ソワソワしてる?
「あ、あの!少しあそこに座りませんか?」
指差した先には、公園のベンチがあった。
いいよと返事をして、不思議に思いながらベンチに座るが百は何も話してこない...何のためにここに来たのだろうか...
(別に嫌われたってわけじゃないのかな・・・?)
「七桜さん!あの、こ、これ・・・」