第25章 Re:valeの今後
百が持って来てくれた花は、ホワイトデーにくれたガーベラだった。
「七桜さん、ガーベラ好きって言ってたので」
覚えてくれてたんだ...嬉しいな...
「俺、そろそろ帰るぞ。百瀬、気を付けて帰れよ?あぁ、あと七桜のことよろしくな」
そう告げてお父さんは帰ってしまった...
いや、連れてきたなら普通送って行くでしょ?
あいつ、何考えてんだよ...
「七桜さん、本当に無事で良かったです・・・俺、守るなんて言っておきながら1歩も動けなくて・・・ただ見てることしかできませんでした。ごめんなさい・・・」
そう言いながら、百は泣き出してしまった。
「百は悪くないよ。一瞬のことだったし、百がそう思うことないんだから」
「あれから、ずっと、ずっと心配でした。もしものことがあったらって、心配で心配で・・・」
泣き続ける百をそっと軽く抱き寄せた。
ビックリしてたけど、存在を確かめるようにそっと怪我を気遣い抱き返し泣いていた。
「連絡しなくてごめんね。百が心配してるってわかってたのに・・・」
「謝らないでください。色々大変だったって、お父さんからも聞いてます。ずっと目を覚まさなかったって・・・それに、バンさんの怪我の具合も・・・」
「万は起きてからここにいてくれてたよ」
「バンさんは今どんな状態ですか?もう会えますか?」
「万は・・・いなくなっちゃったの・・・」
「いなくなったって・・・」
そりゃビックリするよね...いなくなるなんて思ってもいないだろうし...
「今日、病室行ったらもぬけの殻だった・・・」
「ユキさんは・・・」
「千はここ何日も来てなくて、連絡しても返事もないんだ・・・昨日、万の所に来たみたいだけど」
百はショックを受けてるみたいだった。
「毎日来てた時は鬱陶しいなって思ってたけど、来なくなるとそればそれで寂しかったりするね。万もいなくなったから余計に・・・」
「ユキさん、どうしたんでしょうか・・・2人が怪我して責任感じてるとか・・・」
「それは思ってるかもしれない・・・千はたぶん万の家にいると思う。うちは入院してるし、見に行こうにも行けないから。連絡来ないとどうにもね・・・」
「そうですよね・・・」
本当、千はいつまで来ないつもりなんだろ。
(これから、どうするかなぁ・・・)