第24章 万の失踪
お父さんが言うには、お知らせ頼んでるときに声をかけられて心配してたから連れてきたと言う...
(おい・・・普通に危険でしょうが・・・)
「連れてきたって・・・百だったから良かったけど、知らない人だったらどうすんの?うち、刺されてたかもしれないよ?万に怪我させた女なんだよ?わかってんの?万のファンに殺される・・・」
そう思ったら、急に退院後が心配になってきた...
「大丈夫ですよ。みんなもちゃんとわかってます。あの場にいた人なら尚更・・・七桜さんがバンさん庇ったんだってこと。じゃなかったら七桜さんがこんな大怪我してないですよ・・・お父さんから怪我のこと聞きました。無理しないでゆっくり、しっかり治してください」
百は少し泣きそうになりながら話した。
「百瀬、俺のことは遥人さんと呼べって言っただろ?」
「す、すいません!遥人さん」
「お父さん、百のこと脅さないで」
「俺だって連れてってもいい奴かちゃんと確認したぞ?知らない奴連れて来るわけにいかないだろ。スタッフに聞いたら、Re:valeのスタッフしてるって言ってたし、万里と千斗も頼りにしてる奴だって聞いたしな」
「全然、そんなことは・・・」
「百はちゃんと頼りにされてるよ。千が百のこと推薦したんだし、万も百ならってスタッフお願いしたんだよ」
「そうだったんですか?そうだったら嬉しいです・・・」
百はこういう時、謙虚すぎるんだよね。
お父さんが万と千が苦手なのかと聞く。
「いえ、とんでもないです!皆さん、あり得ないくらい凄く良くしてくれます。みんな優しいですし、イケメンで可愛くて・・・ただ、緊張してるだけです」
「イケメンで可愛いね・・・そのわりには、うちの七桜とは普通に話してるように見えるけど?」
(さりげなく脅すのやめろ。これ以上余計なこと言うな・・・)
お父さんを鋭く睨み付ける。
「七桜さんは、俺なんかにも気さくに話しかけてくれて。緊張はもちろんしますけど、話しやすいんです。俺なんかにも気を使ってくれて、話しやすい空気を作ってくれるというか・・・」
「へぇ、そう」
(ねぇ、お願いだからそれやめてくれ)
また睨み付けるけど、効いてない...
「あの、これ飾ってもいいですか?」
百は買ってきたという花束を病室に飾ってくれた。