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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第10章 それぞれの想い1(なずな)


なずなside

翔禾姫様を慈愛に満ちた瞳にて見つめておられる、和也様に、智様……翔禾姫様は気が付いておられるかしら?

「なずな!」

「は、ハイッ! 潤様っ」

 ぼんやりと考え方をしていた為に、急に潤様にお声を掛けて頂き、驚き過ぎて思わず大きな声で返事をしてしまった私。

(潤様に、なんて失態を見せてしまったのかしら…… 恥ずかしい……)

 頬が熱い…… 少しでも頬の赤みよ治って…… と両手で冷やしていたら

「ハハハ。急に話しかけてすまなんだ。なずな。私はいつもそなたに感謝をしているのだ。翔禾姫の一番の理解者で居てくれて。雅若を慈しんでくれて。翔禾姫も、そなたにだけは胸の内をさらけ出し、頼りにしているしな。この先もずっと翔禾姫を頼むんだぞ」

「ハイ。潤様。お約束致します」

 私は、潤様が翔禾姫様との事を見ていて下さった事が嬉しくて…… と同時に、そこまで潤様に心配してもらい、目を掛けてもらえる翔禾姫様が羨ましい……と思ってしまったの。

(このような事…… 翔禾姫様に感じるなど…… なんて私は愚かなのかしら……?)

 この時私は、己の心の中芽生えたこの感情の意味を……

 理解出来ずにいたの……



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