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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第19章 アフター・ダンスパーティー


ちぇー、と言いながら私を開放して、くるん、と私の背に回り、背後から腹部に回される手(背に硬い主張した物が当たってる…)

「えっちは諦めますよー、ちぇっ!……しゃーないから、悟君がおててで温めてあげる。冷やすなよ?」
『お気遣い、ありがと。けどね……悟。
あっついから離れて……冷やすとか以前に熱中症になる、部屋の換気しようよ?』

締め切った室内、生理中の通常よりも高い体温。
いつもずっと悟にくっつかれる事もあって熱い。そう主張すれば少し考えてから私から離れる、顔を見れば悲しそうな子犬の様な表情をしていた。クーン…とか鳴きそう…。
窓を開けに行こうとつかつかと進んだ悟が急に立ち止まって振り返った。

「部屋の換気したらハルカにベタベタするから。えっち出来ない分、そうしないと僕としてはやっていけないですけど?熱くても我慢な?寝る時もオマエをぎゅっと抱きしめて寝るから」
『……えー…それ暑そう。回避出来ない?無敵とか無理?』
「駄目。無敵貫通ってか必中だから。五条悟の宝具だから。宝具封印も不可、最強だから」

『チッ、チートめ……』

暑いけれどもいくら引き剥がそうと磁石のようにくっついてくるのは目に見えてる。その割にあつーい、だとか文句言いながら。暑いって言うと余計に熱くなるんだよ、夏ってのは!

……暑いならくっつけなければ良いのに。猫だって飼い主よりフローリングを選ぶぞ?と、換気の為に窓へと進む悟。そしてひとつの窓を網戸にした後につかつかと速歩きでやって来ては、制服を脱ぎかけの私にしがみつきながら着いてくる悟。
ひとつじゃ換気にならんわ、と私が着替えるのを後回しにして他の窓を網戸にし、ガラッと開ければ外の涼しい風が入り込む。気持ちいい、と窓辺に居ると背後の悟は髪に顔を埋めて笑っていた。

「なんでもないこういう日常の一瞬一瞬がさあ~……幸せだよね」

……ちょっと前に私も思った事を彼も同じように考えてたみたい。胸下に回された少し汗ばむ腕に触れた。いくら好きな人でも本当は暑いから触りたくないんですけれど。
その私の手にもう片手が重ねるように触れてくる。大きくてごつごつしててあっつい手。
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