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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第15章 縛りの為の呪物


134.

一度ホテルの部屋に帰って、海に入るから水着に着替えよう!という事だけれど。「着替えている所から見るんじゃない、変身が終わった状態で堪能したいから先に下で待ってて!」…と、やたらと真剣な表情をした悟に両肩を掴かみ揺すられながら言われたので、着替え終えた私は小部屋で着替えているだろう、悟が閉じこもるドアをちら、と見つつ窓の方へとサンダルを持って進む。
部屋からプライベートビーチ方面へとサンダルに履き替えて階段を数段降りた。

『……ん、気持ちいい風ー…』

水着に着替えてしまえば、朝の散歩の時よりも風が素肌を撫でる面積が多くなって優しく触れられる風が気持ち良い。
地毛と染めた白と、少しだけ白髪化した式髪が風で靡く。海に入る時はお団子に纏めておこう…。
部屋のテラスからの階段を降りてすぐの場所でこうやって悟を待ってる。まだかなあ~…。

「おっまたー!」

たった一言なのに既に騒がしいんですけど。
振り向くと下は水着、上には素肌に軽く羽織ったシャツの悟。サングラスが落ちないように首にサングラス用のストラップが見えて、片手には携帯。手を上げていたから、こっちも軽く手を上げた、けど……。
空いた手で軽くこちらに手を上げていた悟は少しずつ手を下げてちょっと俯いた。

『……急にどうしたの?潮風にやられた作物みたいな事になってんだけど…もしくはシワシワピカチュウ』

萎れるスピードがめっちゃ早いみたいな。ギガドレインでも食らったんか。
下ろした手は口元に、片手の携帯でカシャカシャと私の写真を撮っている。

「海から上がったマーメイドかな?これちょっと等身大タペストリーに仕上げたいんだけど業者の目に映させるのはやだなー…
あっ、ちょっとお義兄さんに媚びるのに写真送っとくわ」
『おい、勝手にグッズ作るな。あと兄貴に画像送るのとか調子こくから止めて?兄貴に何を媚びるっての?』
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