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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第15章 縛りの為の呪物


やっぱりこういう所なんだろうな、とややシーフード多めで、上質そうな肉料理などが朝から出てきて口を押さえた。流石にこういうのはプランに入ってたんだろうなぁ。たまーにデートとか夕食に行くレストランでもあった、でっかい皿にちょこんと乗っけられた芸術性を求めてるやつだ。皿をキャンパスに見立てちゃうやつだ……!

……どう食えってんだ!
一口で行くのは簡単だろうに、こういうのはちまちまと食べてゆっくりとお召し上がりになるスタイルなんだろうな、と思いながら食べていき、やっぱり昨日の悟の"全てを捨てて一からの人生を歩む"っていう提案もある意味良いような気もしてくる。
……全ては捨てられないだろうからしないけれど。

「サーターアンダギーってさー」
『ん?ああ、サーターアンダギーデザートにあるねー』

可愛らしくバスケットに盛られたサーターアンダギー。沖縄スイーツ。
悟は手に持ち、もそもそと食べている。その感想を言うサングラスの奥の瞳が孤独のグルメの五郎ちゃんばりに憂いを帯びていた。なんか…この人、悟だけに悟ってるなあ?

「横長に伸ばして……輪っかにしたら食べやすいし可愛くて売れまくると思うんだよね……」
『うん、それドーナツだねー、急にどうしちゃったのかな?』
「片面にチョコ掛けちゃったらもっともっと売れたりするんじゃあないのかな?」
『うーん、チョコオールドファッションかな?売れ行き好調だねー』

そんな目で私を見るな、健気な少年の発明みたいな表情で。その発明は既に全世界に発信されてベストセラーしてっから。
飽きぬようにとチョコやクリームをトッピングしながら悟はデザートのサーターアンダギーをクリームも挟んだらどうだろう?シュー生地っぽくして!とエンゼルフレンチクルーラーのパチもんを脳裏に浮かべてるんだろうな、という発明に私は適当な相槌を打った。


────

──

しっかりと日焼け止めを塗って、薄手のワンピースが海風でひらひらと軽めに捲れる。とりあえずの食後の軽い散歩、私達以外居ない砂浜と海が視界いっぱいに広がってとてつもない贅沢を味わっている…!

『うーん、めんそーれ!夜の海も良いけどやっぱり日中が一番綺麗だねっ!』
「こらこら、はしゃぎ過ぎで転ばないように!」
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