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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第8章 スキルアップ


「なんでハルカ起きたのに僕には連絡してこなかったのかなー?クラスメイトにはきちんと報告してるのに先生の僕には連絡しないとかさ!寂しいなー!あー寂しいなー!悟君超絶寂しん坊モード発動しちゃうなー!」

ヒェッ…声が笑っていない。
グループラインに送った際に何も考えないで起きたとか送れば良かったのかも。
私のドアを閉める行為に対してこじ開けようとする悟。ドアがガッタガッタうるさい。可哀想になってきた、ドアが。壊れてしまいそうだ。

『お腹すいてたしメッセージ送ろうとしたけど洗濯物がっ………ごめんなさいっ!言い訳です!』
「ええっ洗濯物に僕ってば負けちゃったワケぇ!?悟、超カナシー!」

開きかけては締まるを繰り返すドアにこれ以上は負荷は掛けられないしガラスも粉砕されそうなので廊下を走り出す。
背後から悟が追ってきてるのが分かる。どこに逃げるとか決まっちゃいないけれどもとにかく走った。
めちゃくちゃ走っているけれど体力は悟が上。わざと私を捕まえず右に並走したり左に並走してこちらをちらちら覗き込んでいるし。

「ほらほら~、本気出せば簡単に捕まえられるんだけれど?どこまで逃げるのかなっ」
『うっざ!ああいっそ捕まえろ……っ!』
「ん?追いかけっこはもう終わり?じゃあゲッツー」

校舎から出て悟を撒く事が出来ぬまま、立派な張りぼての建物の裏まで走った所で悟に体を持ち上げられてしまった。
小学生時代の、飼育小屋から逃げ出したうさぎを捕まえたあの光景に重ね合わす事が出来る現状。逃げ出したうさぎは私、捕まえたのは悟。
ぜえぜえと呼吸を乱し両脇から持ち上げられる中、走っていた勢いを殺すためにザザーッ!と悟は砂埃を僅かに立てて足を止める。
悟はあまり呼吸を乱していない。

「とりあえず逃げないなら降ろすけれど、逃げるならこのままキミを棒占いみたいにシャッフルするよ。どうする?」
『……もう逃げません』
「そっ!ちょっぴりおりこうさんになったね~」

私のブーツの靴底が地面に着いて、背中から悟はぎゅっと私に抱きついた。
私の右肩に埋められた頭。アイマスクで立てられた髪が首や耳に触れてくすぐったい。
その肩にうずめられたままに悟は、はーあ、と大きなため息をつく。
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