• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第2章 視界から呪いへの鎹


『で、でも悟さん…私、前にね、父が…その、(祖母に)関わるなって言ってたんだよね』

「正直に親父さんに言わなくて良いでしょ、ここに来るまでにも言ったけれど……ちょっとかばん失礼、」

私のバッグから携帯を抜き出すと、さくさくと親指が連打されていき、悟は耳に当てている。
電話…誰に?父に…?嫌な予感がする。

『まさかとは思うけれど、勝手に私の父に──、』
「あっもしもしー?親父さんですかー?昨日の悟くんなんですけれどー…あっ、トラックの運転大丈夫?ハンズフリー?ながら運転じゃないね?じゃあ大丈夫か、」

固まったままの祖母と、微動だにしない従者の青年。
突然の奪われた携帯で父に連絡を始められて、蝋人形のように悟の方向に少し手を上げたままに硬直する私。
悟は楽しげに、会話を続けている。

「ハルカちゃんとちょっと旅行行くことになったんでお泊りしてくるねっ!……えっ、昨日本人が否定した!?はっはっは、照れてるんだねえ、ちゃんと僕達恋人ですって、ホント!」
『ヴァッ!?』

携帯を取り返そうと手を延ばしても、高身長の男は私の手が届かないように妨害してきて、片手で私の頭を抑え近付かないようにされてしまった。身長が高い分、腕のリーチがある…!
とーどーかーなーいっ!クソッ!

悟は…きっと父が面白い事を言ったんだろう、楽しげにはっはっは、と笑っている。
まだまだ会話が終わらない。なんであの父と会話が弾んでんの?

「お土産買ってくるね~…えっ?大丈夫大丈夫、僕はそんな事しませんって、と」
『返して、か・え・せ!』
「んまっ、本人が恥ずかしがってるからこの辺で切るよ、じゃあね~」

通話が終わったのか携帯をさくさくとバッグに戻して、何も無かった様に祖母と向き合う悟。
私はバッグの携帯を見て、もうアイコンの並ぶ待受にされてる事を知り、携帯と悟を往復して見た。

『何を吹き込まれた……?』
「秘密」

超気になる所、悟は話しかける私ににこにこと笑いかけるのを止め、祖母に視線を戻した。気になるけれど、優先すべきは確かにこちら。何から突っ込んでいくのか。私は何を聞かされるのか。父が止めていた事もあって聞くことに緊張してきた。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp