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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第2章 視界から呪いへの鎹


玉砂利の敷き詰められた庭、敷石を渡って行けば正面には2年程前の記憶にある和服を着た祖母の姿。近くにスーツを着た若い従者も居る。
急に孫が来た事で驚いてるのか、目を開いて進むのを止めて固まっている。2年前の葬式以来だしねぇ…。

『お久しぶり、ばあちゃん。急に来てびっくりした?』

まあ、びっくりもするよね。
祖母はゆっくりと手を上げて、指差すように私の隣を指す。僅かにぷるぷるとしているような…?
私の隣、とは言わずとも悟だった。

「なぜ…なぜハルカが五条の者と一緒に居る……!?」

その言葉を聞いて、私は隣の人物を見上げた。
もしかして、私が知らないだけで有名人だった…のか?この人は。

『えっ……ええ…?悟さん有名人だったの?』

さも当たり前ですがなにか?という顔で斜め下の私を覗いて笑っている悟。

「……うん、言ってなかったっけ?この界隈では僕、有名人なんだよ。サイン要る?チェキ撮る?希望なら手でハート作ったり投げキッスとかやるけど」

『サイン要らない……チェキもいい…そういうアイドルみたいなファンサ、私は悟さんのファンじゃないから要らない』

「手厳しいなぁ」

肩にまた手を置かれたので、その手を払った。凄い人かもしれないけれど、胡散臭いし軽薄だし馴れ馴れしすぎる。厳しそうな祖母の前での態度でそれは無いだろうし。
悟はまた、私の肩に手を置いて(凝りないなぁ)、祖母に語りかけ始めた。

「こちらは春日一族の血筋の本家で間違いない?」

「あ…ああ、はい、そうでございます。私も…、その孫娘も春日の血族で御座います」

悟が祖母に、軽く話しかけるとあれほどまでに怖いイメージを焼き付けた祖母は悟に畏まって返事を返す。
そんなにその界隈?では有名なんだ……五条悟って男は。
悟は私を見てふふ、と笑った。

「……だってサ!今日中には帰れないって親父さんに連絡しときな、ハルカちゃん」

出発前に言っていた事。それは春日だと確定したら話を聞いたり、もしかしたら術について教えてもらう事もあるだろうと、京都で泊まるという事だった。
見事に私は春日一族という事が確定してしまった。
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