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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第20章 星空の下で愛を語らう


180.

朽ちた廃屋。窓が割れ飛び散り、外の木の葉の上に陽の光を受けて反射してる……サンダルとかで来てたら危ないかも。また窓枠に残る鋭いガラスには砂埃が張り付いて人が寄り付かない印象を上げている…。
とまあ、こんな森の中にたった一軒だけ、住心地の大変悪そうなこじんまりとした家が建っていた。もちろん暗くじめじめして雰囲気の悪い廃屋。呪いが隠れていてこちらへと引き寄せられ、出てきた所で悟によって捻り祓われる。
こうして綺麗に呪いは祓われて何も居なくなった所で小屋をゆっくり調べられるってわけで。
まだ入る前から禍々しい雰囲気を察する。

『うーん、呪物があるって雰囲気が物語ってる……』
「まあね、調査結果も殺人事件が絡んでるしね」

ここ人死んどるんかい…、と悟を見てからドアの意味を無くした木造の歪んだ入り口を見る。両端には黄色いビニールテープの切れ端がビラビラとそよ風に揺れ、よく見れば砂埃や経年劣化で黄色の立入禁止のテープだった事が分かる。
それを確認してから疑問が浮かびもう一度悟を見上げた。

『だいぶ時間立ってるっぽいけど、肝試しだとか突撃隣のユーチューバー配信だとか遊び感覚の人達侵入してんじゃないの?ホームレスとか、単純に泥棒だとか……』

森の中の廃屋、入り口からふたりして中を覗けば外見通り狭めな室内。住んだとしてもひとり、贅沢せずにほそぼそと生活を……という感じ。

「入っては居るだろうねー…まっ!なんもいいもの無くて諦めて帰ってるだろうけどね?」

……確かに金目の物はなさそうだしね、
ただまだ入らずともドアの枠から覗く内装は、自然に朽ちたって訳じゃなく、食べ物の…パンだとかカップラーメンだとかペットボトルだとか。テイクアウトのドリンクのクリアカップだとか。そういったゴミがいくつか投げ込まれてる。ゴミだけじゃなくて内装もいくらか荒らされているし。
残念そうって表情でもなく、ふーん、こんなものかってくらいに悟は中を覗いて「狭いねー」と呟いた。

こんなに小さめの建物じゃお宝探しでもしよう!って気も5秒くらいで失せそう。
悟の手に引かれ、建物の中に一歩ずつ警戒しながらに入る。床が時々軋んで、時々パキ、という割れたガラスの破片の音。たまたま目に入った部屋の端の方は床が抜けていた。マジで気をつけよう、床を踏み抜いたらこの手の先の男にしばらく笑われる。
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