第15章 クリスマスイブ
繊細で美味しい食事とお酒で気分はいい。
デザートが出てきたところで
「黒尾さん、これ。クリスマスプレゼントです」
気持ちばかりですが。
と付け足して。
バッグの中に忍ばせていた、ラッピングが施してある箱をそっとテーブルへ。
「まじで?開けていい?」
「はい」
丁寧にラッピングを開ける黒尾さんを
どうだろう?使ってくれるかな?って。
そわそわとした気持ちで見る。
「おっ!カッコいいね!それも名前入りじゃん」
「実はおそろいです」
そう言いながらすでに手帳に挟んでいた、黒尾さんとおそろいのペンを取り出して。
「まじか!ちょっと試し書きしてもいい?」
「どうぞどうぞ」
黒尾さんも自分のビジネスリュックから手帳を取り出して、サラサラと何かを書いている。
「ウン。めちゃくちゃ書きやすいわ。
ありがとう。大切に使わせていただきマス」
「ぜひ使ってください」
「じゃあ俺からも」
お気に召していただけるかわかりませんが。
と付け加えられて。
こちらも丁寧にラッピングが施された箱。