インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第24章 たった一輪の花だが、オレにとっては百花繚乱に等しく
「そうだ、真波から預かりものがある」
東堂はポケットからきらりと光るものを取り出した。
「!それ!
お気に入りのペンダント!
どこで見付けてくれたの……もう一年近く見付からなかったから、諦めてたのに」
「真波がキミと初めて出逢った時、拾ったそうだ。
真波いわく、『オレのお守りにさせてもらってました、すぐ返すべきだったんでしょうけど……スミマセン』だそうだ」
「お守りって……何の?」
「恋愛成就のだろ。
ある意味ご利益はあったかもな。
一回目も二回目もだめだったのに、これを持ってた三回目の告白では願いが叶った」
「ふつうそんな何度もしないの!」
「キミを好きな気持ちは一通りでないということだ」
東堂は傘を放り出すとの濡れた首筋にそっとペンダントを付けた。
「オレのものになったのが当然とはいえ、未だに夢心地だよ。
キミを感動させ続けるのが条件というなら、オレはロードという果てしない道を振り返ることなく走って行こう。
そしてこの山神がインターハイの山頂を上回る景色をきっとキミに見せてやる」
終わり☆