第37章 ※ 固陋蠢愚②
《……っ、皆実》
「……$£#%€」
お願いしてきたのは五条先生のほうなのに。
私を引き離すように、五条先生が私の肩を押そうとするから。
離れないように、焦らすこともせずにその肉棒を口に咥えた。
「は……ぅ、む」
咥えてしまえば、その肉棒が小さく震えて、また熱量を増す。
それに呼応するように……寸前まで力強かった抵抗も、一気に弱くなった。
「きもち……いい、ですか?」
《……ぅ、ん……あぁ、マジで……キモチイイ》
「……€$#&$#……っ!」
五条先生の頬が赤く染まってる。
荒い息が私の頭上から降りてきて、それがまた私の感覚を震わせた。
息継ぎの数が増えるごとに、私が咥えた熱がどんどん大きくなっていく。
先端から溢れる先走りの蜜に舌を絡めたら、言い知れない快楽が呪力の代わりに刻まれた。
「五条、先生……っ」
痛みが快楽に変わるごとに、視界が晴れていく。
真っ暗な闇の中、徐々に灯る光が眩しくて。
目を閉じたまま、私は五条先生の熱に舌を這わせることをやめなかった。
私の呪いを流す代わりに、せめて……五条先生に気持ちよくなってほしくて。
「……せん…せぃ……っ」
口の律動を早めれば、呻くような声が降りてくる。
呪いのノイズがかからない、やけに鮮明な声。
(……この、声)
吐息まじりの、その声にわずかな違和感を覚えて。
「……く、っ」
思わず、口を離しても……もう遅かった。
「綾瀬……さん」
私の眼前……私の唾液に塗れた肉棒が、大きな手に包まれてる。
その指の隙間から白濁の粘液が少しだけはみ出していて。
反射的に口を離してしまった私に、ソレがかからないようにしてくれたんだって。
(……うそ、でしょ)
信じたくない。でもこの答え以外考えられない。
だって、今目の前にいるのは……さっきまでいたはずの、五条先生の身体じゃないから。
《ナニシテルカ、ワカッタ?》
呪いの声が絶えず私を嘲笑う。
震える私の身体に触れるのは、間違いなく……七海さんの呪力。