第33章 ※反魂人形④
「先…生っ、ぁ…あぁっ…」
「もう…軽く……イッちゃってる、でしょ、皆実」
意識をトばすほどではないけど。
快楽の波に呑まれて、何度か身体が弛緩してる。
でも一際大きな波が、何度も押し寄せては引いて、私の中でどんどん大きくなって燻ってるの。
「ん…ぁ……っ…先生……もっ、と……っ」
「もっと……なに?」
「激し…く…」
私が強請った通りに、五条先生が音が鳴るくらいに激しく腰を打ちつけてくれる。でもその刺激があまりにも強すぎて、身体が言うこと聞かないくらいに震えてしまって。
「あ…だめ……っ、激し…っ」
「皆実が…言ったんじゃん……っ、激しくって。ハハッ…すごい痙攣」
吐息まじりに笑って、五条先生はそれでも激しい律動をやめない。
「あー……ヤバい。……僕もうイきそ」
首に回した私の手を解いて、その手を握りしめてシーツに縫い付ける。
バランスを取るように、その手に体重をかけて五条先生が腰に力を入れた。
「ごめん、皆実……ちょっと1回イかせて」
言いながら五条先生が自由に腰を動かす。
壊れそうなくらいに身体が軋む音がして、五条先生の顔が快楽に染まってく。
「はぁ…っ……ぁ…皆実…きも、ちいい……っ」
五条先生が思いのままに快楽に溺れていく姿なんて初めてで。
いつも私ばかり気持ちよくさせられて、五条先生のイく寸前の姿は、霞む意識の中でしか見られなかったから。
その姿を、目に焼き付けたくて。
瞬きすら、できなかった。
「ぁ……っ…ヤバい…ぁー……っ、は…っ」
五条先生が私で気持ちよくなってくれてるのが、心の底から嬉しいの。
「……先生」
五条先生の手を握り返して。
私は少しだけ頭を持ち上げる。
苦しい息を吐く、五条先生の唇に私の唇を重ねた。
「……っ、皆実…」
「あ……ん、ぅ…っ」
五条先生の舌をレロッと舐めて、笑ってみせた。
「先生……気持ちよく…なって」
「……っ、ぁ……バカ」
――かわいすぎって。
そんなこと言って、五条先生がまた私の唇を奪って。
そのままビクビクと身体を震わせた。
薄い膜の中、熱い欲が脈打つように解き放たれる。