第31章 ※反魂人形②
皆実の服を脱がして、僕も自分の服を脱ぐ。
「隠すなよ。もう全部見てるんだから」
皆実がバスタオルで身体を隠そうとしたから、剥ぎ取るようにして奪った。
こんな綺麗な身体、そもそも隠す意味が分からないし。
それに今は、たくさんつけた僕の証が身体中に刻まれてるから、それを見ていたい。
「……そんなに見られると、恥ずかしいです」
細い腕で胸を隠そうとするけれど、豊かな乳房は容易に腕から溢れてしまう。
その光景と、紅潮した皆実の顔があまりに妖艶で、僕はゴクリと喉を鳴らした。
ずっと、皆実の肢体を見つめるだけでも、飽くことはないだろう。
けれどきっと、皆実はそれを嫌がるだろうから。
「おいで、皆実」
自分の欲求に蓋をして、皆実の手を握った。
指を絡めるようにして手を繋いで、客室に備えられている露天に足を踏み入れる。
独特の硫黄の香り。
月明かりに照らされた透明の湯が、天然石に囲まれた風呂の中で揺れていた。
綺麗な湯に身体を浸す。
皆実の透けるような白肌が、月光を浴びた湯に馴染んで煌めいた。
「……綺麗だよ、皆実」
誰が見ても思うくらいに、綺麗だけど。
どうしても口にしたくて。
囁きながら、僕は湯の中で皆実のことを背後から抱きしめた。
元から滑らかな肌が、泉質のおかげでさらに触り心地の良い質感に変わっていく。
髪が湯に浸からないようにまとめているから、僕の眼前にうなじが曝け出されて。
僕がつけた赤い華が、僕の目の前に現れる。
「……ゃ、五条…先生」
可憐な声が、僕を呼ぶ。
求めるような声に、応えるようにして、僕はうなじに舌を這わせて。
すでに咲いていた赤い華を、さらに色濃くする。
「ん……っ…ぁ……」
皆実の身体が跳ねるたび、水面が小さく波打つ。
ちゃぷん、と……身じろぎの音が露天に木霊した。