第28章 ※情④
「……っ、皆実」
「ぅ……ん」
キスをして、五条先生の心を繋ぐ。
まだ、離れたくないの。
苦しいキスを繰り返したら、五条先生が私のキスを奪って返してくれる。
「……ん……ぁ」
私が首に絡めた腕を解いても、五条先生は私の唇を愛してくれる。
だから私は膝を追って、私の呪いで濡れた肉塊を再び擦った。
「……っ、バ、カ!」
手を滑らせて、熱の冷めた肉塊に触れたら、五条先生の身体が固まった。
「……五条先生」
五条先生が止めたキスを、それでも私は続けて。
手元を見ることなく、私は五条先生の呪いを溜めた袋を丁寧に外した。
「お願い……」
その入口を縛ってベッドの下に捨てる。
「……まだ、足りないの」
口にして、溢れ出す熱に涙が出た。
こんなに快楽に溺れても、まだ五条先生を求めて身体が疼くの。
「……っ」
先生の肉茎を、再び指先でなぞれば、また熱が宿ってくれる。
私の呪いが、また、五条先生を勝手にその気にさせちゃうけど。
でももう、それでもいいの。
それでもいいから、五条先生が欲しいの。
「……五条先生で、私をぐちゃぐちゃにして」
どうしようもなく呪われた私を、愛して。
「五条先生……ねえ、もっと……もっと――」
言いかけた言葉は五条先生に奪われる。
「……皆実」
大好きなキスを私に落として。
私のめちゃくちゃな感情も、全部、五条先生はお見通しなの。
「もっと、壊していい?」
私の呪われた願望を、五条先生が口にする。
私の口から吐き出されるはずの呪いの言葉さえも、五条先生は自分のものにした。
「皆実が満足するまで……いっぱい抱くから」
優しい言葉が、こんなにも苦しくて。
「……もう、泣くな」
呪われた夜が、優しい熱に、溶かされていく。
何度意識を手放しても、五条先生を求めることに『満足』なんて、ありえなかった。