第22章 ※雨後②
私の背中を抱いていた宿儺の腕が、私の腰へと滑る。
私にキスをしたまま、宿儺が私の腰を抱えて。
宿儺の膝の上に跨るようにして、座らされる。
膝を折って座りこむと、膝から流れる血が屍を赤く彩った。
《まずは誓いの証に、オマエを堪能させろ》
宿儺が私の唇を指でなぞる。
ゾワリと、溢れかえる呪力の流れを無視して、私は目を閉じた。
視界を塞いで、この現実が終わるのを、ただひたすらに待った。
《……すぐに、俺のことしか考えられん身体にしてやる》
唇に柔らかい感触。
濡れた唇が、私の唇をぺろりと舐めた。
「……っ」
《声は我慢するな。安心しろ、小僧はまだ寝ている」
宿儺の微笑が私の唇をくすぐる。
同時に、宿儺の指が私のお腹をツツッと掠めるように撫でた。
《絹のように滑らかな肌……傷をつければよく目立つ》
そう告げて、宿儺が私の肌に爪を立てる。
チクリと痛みが走って、生温い感触がお腹を伝う。
《雪のような白肌に、深紅が映えるな》
宿儺の指が痛みの走るお腹を数回擦るように撫でて離れる。
目の前でジュルッと何かを啜る音がした。
《現実の身体も、いずれは……俺の傷痕だらけにしてやる》
そう告げて、冷たい手が私の胸を覆い包んだ。