• テキストサイズ

ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第18章 夏の空の落とし物 後編 お相手:竈門炭治郎


そう言って
墓前に供えるのには
似つかわしくない様な

大きなひまわりの花束を
その墓石の前に置いた

炭治郎がそのひまわりの花束を見て
ある事に気が付いた


「みくりさん、それ……、そんな色の
ひまわり。俺、初めて見ました。
オレンジ色のひまわりなんてあるんですね」


黄色い定番のひまわりの花の中に
中央に1本
オレンジのひまわりが入っていて


「見つかると……、いいね」


そう そのオレンジの
ひまわりを見つめながら
みくりが漏らすように呟いた

きっと みくりさんが
見つかるといいねと言ったのは

美空の事を 
好きになってくれる人の事だろう


視線をそのオレンジのひまわりに
向けたままで みくりが続ける


「オレンジ色のひまわりの花言葉はね…、
未来を見つめて……」



未来を見つめて



だから 供えるんじゃなくて
プレゼントだと

みくりさんは言ったんだ


死んだ人に 
未来を見つめてなんて意味を持つ花を

普通は贈ったりはしないだろうから……


その言葉の意味は……


「見つかると…、いいね。いい人が」


みくりの頬を一筋の涙が
伝い落ちるのが見えて


「はい、そうですね。でも…きっと。
美空は約束は、守ってくれると
俺は信じてますから」


「約束?」


「ええ。美空はそうなれる相手を
見つけるって約束したんです。
俺と、……後…、言ってました」


「言ってた?美空が?」



「みくりさんと…、幸せにって」

「そう、あの子が……、そんな事を。
ねぇ、炭治郎君、私ね、
美空の事憎たらしい子だとは思ってたけど。
そんなに、嫌いじゃなかったの」


「みくりさん」


炭治郎に名前を呼ばれて
彼の方を見ると


彼がこちらに手を差し伸べて来て

みくりがその手を取ると

ぎゅっと握られて



「幸せに、……なりましょうね。俺達」



「私は、今も、幸せだけどね」



そう言ってみくりがにっこりと笑った

/ 4730ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp