第4章 水
私は走って、教室に向かう。
放課後の学校は、みんな部活動などで教室にいないため、静かだ。
グラウンドからは、部活をしている生徒の声が聞こえる。
「はぁ、はぁ…。」
静かな廊下には、私の足音だけが響いていた。
しばらくして、私は教室に着いた。
「はぁ…、やっと着いた…。」
私は息を整えてから、教室のドアを開けようと手をかける。
すると、急に誰かの話し声が聞こえてきた。
「なんか星山さんってさー、本当に不器用だよねー。」
(え…?)
「分かる分かる!私、あんなにできない人、初めて見た。」