第3章 練習
「そう、そのまま。いいぞ!最後まで気抜くな~!」
「分かってる!よーし、あと1往復。」
白井くんに練習をついてもらってから、早1ヶ月が過ぎた。
まだまだ、みんなには追いつかないけれど、飛んでいられる時間は30分に伸びた。
「ふぅ。」
私はほうきから降りて、白井くんに聞いた。
「ねぇねぇ、タイムは?」
最近は、どれぐらいの速さで木々の中を跳び終わるか、タイムも計っている。
「6分…くらいかな。」
白井くんがタイマーを見て答える。
「やったー!前より早くなった!」
「うん、早くなったな。」
「白井くんのおかげだよ、ありがとう!!」
私は嬉しくて嬉しくて、たまらなかった。
「お、おいっ!」
と、白井くんが何かに驚いていた。
「ん、どうしたの?」
私は疑問に思い、尋ねる。
「…は、放してくれないか…?」
「え…?」
何のことだ?と思っていると、
「……!!」
私は嬉しさの余り、いつの間にか白井くんに抱きついていたのだ。