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〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第4章 別離と誓い


エルヴィンに送ってもらい自宅へと帰ってきたジルは、父との約束を破ってしまった事と、あの二人の兵士が気になった為、夕食の支度をしている母に父のことを聞く。

「お母さん、お父さんお店にいるの?」

「お父さんは少し離れた村まで頼まれていた本を配達に行ったわよ?
注文数が多かったからお父さんが届けに行ったのよ」

「ふーん、そうなんだ。
いつ帰ってくるのかなぁ…」

「遅くなるかもしれないって事だから先に夕食を済ませましょう。
お腹空いたでしょう?」



母と二人で食事を済ませ、ジルは父の帰りを今か今かと待つ。



──だが、食事を済ませてから数時間経つも父が帰ってくる気配はなかった。
ジルは落ちそうになる瞼を必死に開けながら長椅子に座ってただひたすらと父を待つ。
そんな娘の姿を見た母親は自室へ戻って休みなさいと伝えるも、ジルは頑なに父を待つと言ってその場を離れなかった。
その様子に母も折れ、二人で父の帰りを待つことにした。



それからしばらくして、外から物音が聞こえた。
あんなに眠そうにしてたジルもその音が聞こえるやいなや、扉に近づこうとした。

しかし、父が扉を開ける音がすると思いきや、聞こえてきたのは扉を叩く音だった。
母はこんな遅い時間に誰だろう、と扉を開けた。
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