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瞳の中のシンデレラ

第2章 ストレリチア


呪術師。呪いを術で祓いし者。
私は、呪術師を育てる学び舎で呪術とは何かを教える教師。または、特級呪術師。

花咲蓮。
一人一人の生徒の未来が非呪術師と変わりなく輝かしいものであることを願い、その為ならどんな手段を使っても守ると、、

28という若さで、地位や名誉、権力をもった。

だが、この方かなりの変わり者。


「伊知地、あとどれくらいで高専着きそう?」

「すみません。少し道が混み合ってまして、あと20分はかかるかと」

「全然いいよ。ゆっくりで、、昨日、一昨年と寝れてなくて少し寝るけど、着いたら起こしていいから宜しくね」

「お仕事ですか?大変ですね、ゆっくりってもう寝てますね。」
規則正しい寝息は、車の音に掻き消され疲弊続けたその体は車のシートに埋もれ、彼の優しさは最後まで届かず消えた。

「花咲さん。寝てるとこすみません。高専着きました。」

「、、、ん、あ、ありがとう。」

「とんでもないです。」

「伊知地、運転上手くなったというか、私が起きまいと車が揺れないようにしてたね、ありがとう。これ、大した者じゃないけどお土産。
ゆっくり休んでね、それじゃあ」

「ありがとうございますってもういない。ゆっくり休むのは貴方の方だと思います。花咲さん」


この長い長い階段をもう何年登っただろうか。
いつになったら、エスカレーター式なるんだろう
お金出すから変えて欲しい、あ、でも、悟がいる時は瞬間移動させればいいのか、いやでもなーアイツと一緒にいると鬱陶しいしな。
いや、まあ自分も使えるんだけどね、瞬間移動。
でも、わざわざその為だけに呪力消費したくない。うん、やだ。

そんな、くだらない事を考えながら微かに聞こえる話し声。

「相手を殺したり再起不能の、、」

ん、これ、やがちゃんの声だな、相手を殺すってそんな物騒な。
ん?あれ、今日何日だ?あれ?交流会、今日じゃない?あれ?

微かに聞こえた夜蛾学長の声が、階段を駆け上りながら段々と大きく聞こえてくる。

あと一段のところで、花咲は気付く。
今日が交流会の日であると、かなり高専を空けていた事になる。
ここを空けたのは、丁度、悟から宿儺の器がどうのと言われた日に荷造りをしてた。その次の日に、出発してしたから一か月弱。
待って、、生徒に会いたい。
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