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FLYHIGH(ハイキュー)

第4章 代表決定戦


「私、忘れ物ないか確認してきますね!」

「ありがとうね、ゆっくりでいいよ!まだトイレから戻ってない人もいるから」

潔子さんが優しく声をかけてくれる


一通り見回りをして、体育館を出ようとすると

あれは…及川さんと

バレーボール雑誌で見たことある

白鳥沢の【ウシワカ】?!


2人とも深妙な面持ちで話してるから気づかれんようにコソっと後ろを通り過ぎて、外に出る

「歩〜ちゃんっ」

うわ…バレてる

「お疲れ様です…」

振り返って応える

「うわー嫌そうな顔してる!」

「してません」

「俺さ…全国行ったら、そん時は真剣に考えてくれる?とか言ったくせに、バカみたいだよね」

「そんなことないです」

「え?」

「死ぬほどカッコよかったですよ、今日の及川さんは」

「本当に?じゃあとりあえず手始めに連絡先だけでも教えてもら…」

「ほんとは今、何考えてますか?」

「…」

いつもの軽口を叩いてた及川さんがスッと表情を消し、こちらに近づいてくる

そしてトンっと私の肩に頭を置く



「悔しくて…悔しくて…どうにかなりそう

でも…

俺は何一つ終わってない」


「そうですよ」


及川さんの頭をポンポンと叩く

「歩ちゃん…」

私の肩から顔を上げた及川さんはいつもの表情

「俺のこと、ちゃんと考えくれる?」

「考えます」

そう言ってポケットからボールペンを取り出し、及川さんの手の甲に携帯の番号を書く

「じゃあまた」

私はバスに向かって歩き出した




バスに乗ると全員爆睡

そりゃそうやんな

ほんまに激しい戦いやった


隣で私にもたれるようにして寝ていたスガさんが、学校の近くになって目を開ける

「あ、歩ちゃん…ごめん、寝てた。俺重たくなかった?」

「全然ですよ!学校ついたら起こすんでまだ寝てて下さい」

「もったいないから起きてる」

「え?」

「歩ちゃんと話したいから」

「耳元で言わんといてください!恥ずかしいから」

「とか言って今日俺最後さ、クソみっともなかったよな」

「何がですか?」

「顔面レシーブ」

「ああ…でも顔面レシーブも含めて今日のスガさんにみっともないとこなんか1つもなかったですよ」

「ほんと?」

「どっちか言うたらクソかっこいいだけでした」
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