• テキストサイズ

FLYHIGH(ハイキュー)

第3章 春高予選


チケットを2枚手に持ち、彼女を待たせていた場所に戻る

あれ?

ここだったよね?

歩ちゃんが見当たらない

キョロキョロと彼女を探していると


ヒヤッ


「わっ冷たっ」


振り返ると後ろから冷たいドリンクを差し出し、俺の頬にあてがって笑う歩ちゃん

「あはは、何がいいか分からんかったんでお茶ですけど」

「もう、びっくりするじゃん」

「びっくりさしたろと思ってましたから」

イタズラっ子のように笑う歩ちゃん



劇場に入り、椅子に座る

「何でカップルシートにしたんですか?」

「いいじゃん、2人乗りした仲だし」

彼女は不服そうに俺から少し離れて座る

歩ちゃんが見たいと言った映画は洋画だった

アクション映画だし、どう考えてもカップルで見るような内容ではないけど

隣で真剣な眼差しでスクリーンを見つめる彼女を見てたら、これはこれでアリな気もする

初めて会った時は泣いてたし

次に見かけた時は色っぽい浴衣姿でキスされてたし

今日は年相応の女子高生な一面も見たし

今は大人びた表情で隣にいる

コロコロと感情が変わるのは関西人だから?

今までこんな女の子と出会ったことない

誰とも違う…ヤバイ

もっと知りたい

もっと知りたい





映画は普通に面白くて、最終的には俺も見入ってた

「私が見たいので選んだけど、及川さん面白かったですか?」

「うん、普通に面白かった。なんかさ、女の子と映画行くと大体、少女漫画が映画化されたようなくだらない邦画に付き合わされるから、新鮮だった」

「うわー、めっちゃ想像できる」

「歩ちゃんはよく映画行くの?男の子と」

「男の子とはあんまり行きませんね、1人が多いかな」

「トビオちゃんとは?」

「影山くん?影山くんが映画なんか見ると思いますか?」

「ないね、ハハハ」

「影山くんとは映画どころか、学校以外で2人で会うたこともないです」

「そうなの?付き合っててフラれたんじゃないんだ?」

「違いますし、フラれたフラれたって別に告白してませんし」

「なにそれ、てかまだ時間大丈夫?ちょっとコーヒー買っていい?歩ちゃんは?」

「じゃあカフェオレで」

/ 554ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp