第5章 幼馴染みは私に依存してる
『凌、何かあった?急に呼び出して。』
「ちょっと話したい事があってさ。あ、そこ座っていいよ。」
『?うん。』
凌のベッドの上に腰を下ろす。
『で、話したいことって?』
「今日の帰りの時のことについてなんだけど…。」
ぽつぽつと話し出す。
「僕がりんこのこと迎えに行った時に話してた男の子。あれだれ。」
『…あー、佐藤くん?』
「いや知らないけどさ、僕以外の男と話さないでって何回言ったら分かるの?」
『そんなこと言われても…無理じゃん。どうしたの?最近の凌おかしいよ。』
どんどん目から光が無くなっていく凌の顔を見て、しまったと思ってももう遅い。
「え…?僕がおかしいの?ねえ。おかしいのはりんこじゃないの?ねえ。ねえ!そうだよね。聞いてるの?ねえ。」
『っ、ごめん!凌ごめんって!ちょっと落ち着いて…おねがい。』
「あ……ごめん。怖かったよね。ごめん。泣かないで。」
言いながらりんこを抱き締め、そして耳元で囁く。
「けど僕ほんとうにりんこが他の男と関わるのが嫌なの。他のヤツに取られないか不安になる。りんこは知らないんだよ。どれだけ僕がりんこのこと大事に思ってるのか。他のヤツの方を向かないで。僕だけ見て。小さい頃からずっと一緒だったのに今さらりんこのこと誰にも取られたくない…。僕はりんこが一番だからりんこの一番も僕にして。ずっとずぅっと一緒じゃないと…やだ。」
『うん…分かってる。私が悪かったの…私も凌が他の女の子と話してるとこ見たくない…。』
「ふふふ、そっかあ…。じゃあもうさっき言ったこと守れるよね?」
りんこは頷きながらあくびをする。
「泣き疲れちゃったか。りんこのお母さんには僕が連絡しとくから、寝ちゃっていいよ。」
『ん…じゃあ寝る……。すーすー……』
「はぁ、ずっとこの部屋に閉じ込めれたらなあ。こんな可愛い女の子他のヤツらがほっとく訳ない。次りんこが男と関わってたら止められる自信ないからね僕……。」
凌の言葉は寝ているりんこの耳に届かず、消えていった。