第30章 sprout2 佐久早
「…嫌いにならない?」
「なるわけない」
「あの…そのね…エ…エッチの時の話なんだけど」
「え?!」
何故か臣くんは顔を真っ赤にする
それを見て私も恥ずかしさが込み上げてきて赤面した
「え、ごめん」
「いや違う…歩さんの口からそんな言葉が出てくると思ってなかったから」
「も、もう!やっぱ恥ずかしい!やめる!」
私はソファから立ち上がって、顔をパタパタと仰ぎながらキッチンに向かった
キッチンで2人分のマグカップにコーヒーを注いでると、私についてキッチンにきた臣くんに後ろからギュウと抱きしめられる
「ごめん…続けて、エッチの時がなに?」
耳元で臣くんに囁かれて、ドキドキと心臓が速くなる
4年も一緒にいても私はまだまだあなたのことがこんなに好きで、だから…全部欲しくなっちゃうんだよ
私は回された臣くんの手を取り、自分の心臓に当てがう
「…分かる?臣くん…私たちこんなに長く一緒にいるのに、臣くんにこうしてギュッてされるだけで私…こんなにドキドキしちゃうの」
「俺もだよ?」
「だからね…臣くんの全部が欲しくなっちゃう。臣くんはいつも私のことを考えて優しくしてくれるけど…本当はもっと滅茶苦茶にして欲しいって…恥ずかしいこと思ってるの」
顔が見えないのをいいことに、思わず全てを吐き出してしまった私を臣くんはギュウっと強く抱きしめてくれた
「歩さんにそんなこと言わせてごめん…でもすごい嬉しい」
「え…?」
振り向くとそこに臣くんの顔があって、優しく口づけられる
「俺だって本当は、ここでこうしてご飯作ってくれてる歩さんの姿を見ていつも…このまま滅茶苦茶にしたいって思ってた」
「そ、そうなの?」
臣くんは照れながら
「でもそんなことして歩さんに引かれたら嫌だから我慢してた」
って口を尖らせて視線を外す
もう、可愛すぎる
大好きが過ぎる
あんまり可愛くて、彼の癖っ毛をくしゃくしゃと撫でていると、パッとその手を掴まれて…臣くんは急に雄の顔になって…
「でも歩さんがいいって言ったから、もう手加減しない」
そう言うと、さっきの優しいキスとは全然違う、噛み付くように荒々しい口付けをされる
腕は強い男の子の力で押さえつけられ、身動きが取れない
クチュ…ジュル…チュ