第22章 adultère2 赤葦
「え?!セッ…するの?!ここで?!この部屋、壁激薄なんだけどな…」
何せ会社の独身寮
外階段を上がってくる住人の足音が聞こえてくるぐらいの壁の薄さに、座るだけで軋むパイプベッド
俺があれこれと考えている間に彼女は、俺のシャツ1枚を纏った姿になっていた
つまり、彼シャツ状態
「なんでっ!なんでそんな格好して煽ってくるの?!」
「えーだって、男性の家に転がり込んでくる女の子は着替えとかないから、多分このスタイルになるでしょ」
…小説の話か
「てかやばっ、このシャツ超あかーしさんの匂いする」
そう言って胸元の辺りを嗅ぐ彼女に、俺の理性は消し飛んだ
ギシッ…
パイプベッドに歩を押し倒して
「声我慢しなよ」
そう言って彼女の上に馬乗りになった
で、今に至る
彼シャツ姿の歩の破壊力はヤバかったし、声を我慢してる仕草が唆りすぎて、ついつい鳴してやりたくなっていつもより激しくしてしまったのは認める
でもそもそもそんな格好をして誘ってきたのは彼女の方だから仕方ない
「絶対隣近所に声聞こえてたよ」
ベッドに寝そべりながら言うと
「なっ、それはあかーしさんが私のイイとこばっかわざとしてくるからでしょ?!」
俺の腕の中で彼女が反論する
「イイとこってココ?」
そう言ってさっきまで自分自身を挿れていた孔に、指を挿入して彼女が弱い部分をクチュクチュと掻き混ぜる
「ンッンッ…もぉ…やだぁ」
「こんなにトロトロにしといて、よく言うよ…もっかいする?」
チュ…
口付けながら、再び彼女の上に覆いかぶさろうとした時
〜〜♪
iPhoneの着信音が鳴る
「出ていいよ」
俺を見上げながら歩が言う
「…続き、あとで」
そう言うと俺は彼女の額にキスをして、テーブルに置いてあった携帯を手に取った
「はい、赤葦です…はい…え?!はい!え、そうですか!早速先生に伝えます、はい!失礼します」
終話ボタンを押し、ベッドに向かう
「先生って私?なに?」
彼女が首を傾げる
「凄いよ歩!ハツコイが映画になるって!」