第5章 暴力沙汰…ですか
でもね
私はどうしても
「カルマくんが理由もなく先生を殴ったりするとは思えないの…」
カルマくんは驚いた顔して
「なんで…嫌いになったりしないの?」
「私はカルマくんのこと信じたいから最後まで信じたいから…全部教えてほしい」
そう言うと
「あの時さ3のEの先輩がいじめられててさ…俺は庇ったつもりでA組の先輩殴ったんだよね…先生は俺が正しいとか味方とか言ってくれたから自信もってたんだけど…」
カルマくんは辛いより絶望した顔で
「裏切られちゃった、俺の味方いないって」
私はカルマくんを思いっきり抱きしめて
「私は味方だよ!私だけはカルマくんのそばにいる!!カルマくんのこと裏切ったりしないよ!!」
「本当に?」
「うん、私はその話聞いて安心した」
「え?」
「やっぱり優しいよ、優しいままだ…もっと好きになった、ただあまり喧嘩はしてほしくないな…カルマくんはきっと強いから悪者になっちゃうかもしれない…そうはなってほしくないな」
「…」
「私ね、カルマくんには正義のヒーローになってほしいな、この力で誰かを助けてほしい、先輩を助けた時みたいなことしてほしい」
コツンッとカルマくんのおでこをつけて
「私は信じてるよ」
カルマくんは私を力一杯抱きしめて
「ありがとう…」
「私には隠し事なんてしないで何でも言って」
「うん…」
私だってカルマくんにたくさん救われたんだよ
私も救いたいんだ