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あなただけには敵わない

第1章 始まり


でもどうせ

名門校なんて

ガリ勉ばっかりで

私が好きになる人なんているはずない

だって私

自由な人が好きだから

どこにでも飛んでいくような羽を持ってる人

恋したことないから

好きなタイプとかよくわからないけど

きっとガリ勉なんて好きにならないし

バカでもいい

むしろバカがいい

いっぱいいろんな世界を見せてくれる

自由な羽を持ってる人

そんな人を探してる自分がいる

「ゆいな、可愛いわよ」

「…ねぇ本当にいいの?」

「何が?」

「登下校とか休日とか…」

一応誘拐されかけて迷惑かけたんだし

「いいのよそれに、もう自立していく年なんだから気にしないで暴れなさい」

「ありがとう…」

「あの日のことあなたは悪くないんだから気にしなくていいのよ、あの日だってあなたが抵抗してたから誘拐されずに周りの人が助けてくれたのよ」

でも…って思っていたら

お母さんは笑って

「お父さんはゆいなが可愛いから心配なのよ、お父さんはどうせ一年のほとんど仕事で忙しいんだしちょっとくらいバレないわよ」

だから私は安心して

交通機関を初めて使えるようになった
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