第1章 、
翌日、教室で傑と硝子に改めて報告をした。付き合う事になった、と。何故一回目に振ったのかだとか、お互いの好きな所を挙げろだとか、質問攻めに合って大変だった。
「最初振られた時、マジで人生終わったと思った」
笑いながら言う悟。それを聞いて、私達も笑う。
「傑の言葉で、気づいたんだよね。好きって」
硝子は「鈍感にも程がある〜!」と笑っていた。傑は「それで幸せになれたのなら、良かったよ」と祝福してくれた。
学校が終わり、部屋でテレビを見ていると、いつものように悟がやってきた。「あち〜のは何時になったら収まるんだよ」と半ギレでソーダ味の棒アイスを食べている。
「食う?」と聞かれて差し出されたアイスにかぶりつくと、やっぱりキーンと頭痛がした。
「、頭痛いの治してやろうか?」と言う悟に頷くと「目閉じて」と言われる。
言われた通り目を瞑って待っていると、唇に冷たく、柔らかい感触。それは甘くて爽やかなソーダの味がした。
キ、キスした?!と驚くと「いいじゃん、俺ら付き合ってるんだし」と余裕の表情。は段々と顔が赤く染まって行ったが、悟だって耳が真っ赤なのは見逃さなかった。
目を開けると蒼い瞳がすぐそこにある。「綺麗...」そう呟くと、再びキスが降ってきた。
煩い蝉の鳴き声も、じわじわと吹き出る汗も、アイスで苦しむ頭痛も、悟が居れば悪く無いかもしれない。
無色な私の世界を色付けてくれるのは、いつも君の蒼からだった。