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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第11章 ※炎炎 【煉獄杏寿郎】 1


俺の妻、不死川寿美とは、大学で知り合った。
名字を聞いてもしかしてと思ったが、不死川の妹だった。前世では早くに亡くなっていたので今生で初めて会った。
控えめだけど芯の通った女性。不死川に似て優しい女性で、勝手気ままな俺を許し、世話を焼いてくれた。
「好きです」と言われ、断る理由もなく関係が始まった。燃えるような恋愛ではなかったが、自然体で付き合える心地よい関係だった。
勿論それなりに大切に感じていた。
そして俺が就職したら、当たり前の様に結婚の話が出た。彼女に不満も無く、良い家庭が築けるイメージも容易く持てたので、世間の人々と同じようにいろいろな段階を経て4カ月前に式を挙げた。皆の祝福を受けての結婚式は確かに幸せだった。


俺は、高校で冨岡と再会したことで、前世の記憶が戻った。同じ高校に不死川も宇髄も伊黒もいた。悲鳴嶼さんは副担任で、俺が在学中にカナエさんが新採用で入って来て再会した。
20歳になるまでに前世で関係があった同年代の人とは殆ど再会できた。卒業した高校に教師として赴任してから、前世で関係のあった年下の子達は生徒として今の学校で出会っている。

唯一、俺が前世で大切に想った人の中であやとだけ再会できなかった。何度かネットであやの名前を検索したが、それらしい人物は引っかかってこなかった。

大学を卒業するくらいまでは待っていたが、会えないという事は、この世界に転生しなかったか、していても年齢が大きく違うか、若いうちに亡くなってしまったか。

そして俺はとうとう今生では再会することを諦めたのだ。彼女を想い続けるのは辛かった。

そしてその時に付き合っていた彼女・・・寿美を大切にしようと考える様になった。彼女は俺を随分愛してくれていたから。

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