第3章 俺だけを見て【銀時】
雅side
「な…なんで…銀時さんが…」
震える声で尋ねると
「決まってるだろ」
笑みを浮かべながら私に近づき頬に手を添える
「お前を愛してるからだよ」
そう言った彼の紅い目はやけに濁っていて
「俺がこーんなにもお前の事を愛してるのにちっとも気づかねぇ。
それどころか他の男と楽しそうに喋っちゃってさぁ?よりにもよって…俺の一番嫌いな多串くんとか…」
段々と声を低くしながら私の身体を撫でる
その手の冷たさに思わず全身が粟立つ
「これでも結構大変だったんだぜ?どれくらいの力加減でやれば肋を折らずに気絶させられるか確かめるの」
あぁ…誰か夢だと言って
少なからず彼に対して信頼感はあったのに今は恐怖しか抱けない
「その感じ見ると折れてねぇな。良かった良かった」
嗤う彼の声だけが響く