第3章 俺だけを見て【銀時】
雅side
そうだ。今日は時間があるから買い物に行ったんだ
いつも通りの買い物…
いや何かが違ったはず…土方さんだ
買い物帰りに土方さんに会って…少し話し込んだんだっけ
それから別れて誰かに話しかけられて…ダメだ思い出せない
ひとまずはこの腕の拘束を解かなければ
必死に手首を縛られた縄から抜こうとするも上手くいかない
随分と固く縛られているようだ
「…ダメか」
諦めを覚えつつ1度辺りを見回してみる
10畳程はあるだろうか。薄暗い地下牢の様な場所だ
酷く不気味な空気を纏い、自分が座っている所には3畳程畳が敷かれている
そして私の対角線上にある扉。重そうな扉は体当たりしても壊れそうにない
自分はこれからどうなるんだろうか
果たして生きてここから出る方法などあるのだろうか
冷静に行動しようとしても恐怖が勝り身体が震える
ちょうどその時扉の外から足音が聞こえた
扉の前でガチャガチャと音を立て何かを操作しているようだ
そしてゆっくりと扉を開けて姿を現したのは
「あぁ、もう起きてたのか」
何度か面識のある万事屋の坂田銀時だった