第5章 心通う
~夢主side~
翌朝目が覚めると、目の前には杏寿郎の整った顔がある。
「…!」
若干驚きつつ、杏寿郎の寝顔を改めてみる。
「(整ってるなー…、睫毛も意外に長いかも…)」
「ぅ…ん」
杏寿郎が起きそうになるので、慌ててなぜか私も寝た振りをする。
だけど起きる気配はないみたいだ。
「(よかった、起きないみたい…)」
反対を向いてまた規則正しい寝息を立てる杏寿郎を起こさないように、ベッドから降りる。
泊めたもらったお礼にと、軽い朝食でも作ろうとキッチンを借りる。
昨日のうちにコンビニで買っておいた材料を出し、作り始めた。
「よし、できた!杏寿郎起こさなきゃ…」
と、振り返ると壁にもたれ掛かりながらこちらを見つめている杏寿郎の姿。
「わぁっ!!!び、びっくりした!いつからいたの!?」
「ついさっきだ。いい匂いに連れられて…おはよう、陽奈子」
と、近付いて抱き締めてくる杏寿郎。
それに答えるように私も腕を回す。
「おはよ。泊めてくれたお礼にと思って、簡単だけど朝ごはん作ったから食べて?」
そう言って顔を上げると、大好きなお日様のような笑顔を向けられる。
「ありがとう!いただくとしよう!でも…こっちが先だな。」
と言って、私に軽く口付ける
「…っ!きょ、杏寿郎っ」
驚いて杏寿郎の胸を押し返す。
「したい時にしてもいいと言ったのは陽奈子だろう?」
そう言うとまた、口付けてきた。
なぜだろうか?この人はとても大胆になった気がする…
私はこんなにも恥ずかしがってしまうのに、杏寿郎は余裕さえ感じる。
なんだか負けた気持ちになって少し複雑だ。
「…っん、杏寿郎っ…さ、冷めちゃうから!」
「うむ、そうだな!まだまだこうしていたいが、仕事にも行かなくてはいけない。」
そして朝ごはんを食べたあと、杏寿郎が仕事に行く時間になる。