第20章 意識不明
2人が祝言を挙げてから3度目の春が来た。杏寿郎はもうすぐ20歳になろうとしていた。
相変わらず杏寿郎は柱として忙しくしていた。
もその手助けとして戦闘に赴いたり、後輩の指導に当たったり、人手が足りない時は蝶屋敷の手伝いとして怪我をした隊士の手当てなどもしていた。
その分、2人でいる時はじゃれ合って笑い合い、おままごとの延長の様な若い夫婦だった。
2人は初めて結ばれた日に、子供は成人する頃にまた考えようということで話はまとまっていた。
何かの拍子に授かることができたらもちろん大歓迎だが、薬は飲み続けた。
しばらく任務優先にしたいという気持も強かったが、何より、この命がけの任務で子供を設けることに不安もあり、命の危険があれば2人で死ぬのも悪くないと考えていた。
ある夜、杏寿郎は鬼殺の任務に行き、は蝶屋敷で救護を行っていた。
杏寿郎の鴉が胡蝶へ伝言を届けに来た。の心臓が跳ねる。しのぶに伝言ということは杏寿郎が怪我をしたということ。
・・・そして家では対応できない程の大怪我であることを意味していた。