第13章 宇髄天元
と天元は帰路に着き、歩きながら少し話をした。
「、お前さ。煉獄と住んでるってやつだろ?」
「ご存知でしたか。」
「当り前よ。ちょっとどんな奴か見てみたかったんだ。」
「お前、いい女だな。強いし見てて面白い」
「そうですか?・・・恐れ入ります。」
「・・・さっき鴉を飛ばしたから、もうすぐ任務を終えた煉獄が迎えに来るぜ。」
天元がを見て言う。
「あ・・ありがとうございます。」
天元殿は距離感が近いし口が悪いが、基本的にはいい人なんだろうなと思いながらは話を聞いていた。
そして、お節介で面倒見が良い所やふとした印象が、死んでしまった兄に似ている。
「あ、そだ。言い忘れてた。今日はお前を役不足って言って悪かった。背中を預けて戦ったのは久しぶりだった。また一緒に戦おうぜ。」
「いえいえ。まだまだ実力が足りず、お怪我をさせてしまいすみませんでした。もっと精進したいと思います。」
「また謝ってる。・・・本当、律儀な性格だな。部下を護るのも柱の仕事だっての。じゃあ、この怪我の慰謝料もらうぜ。」
と言い、の体をがばっと抱き寄せておでこにちゅっと口づけをした。
天元はびっくりしているの顔を見ながら、ニッと笑いながら続ける。
「ま、顔に傷でもついちまったら、責任を取って嫁にもらおうと思ってたがな。お、やべ。そろそろの大好きな煉獄がくるぜ。じゃお疲れさん。」
と言うや否や、フッと消え、随分先の方で手をヒラヒラさせながら走って行った。
天元が見えなくなってすぐに、走って来る杏寿郎に会った。
「!随分活躍したらしいな!疲れただろう?」
は、杏寿郎のいつもの元気な声と笑顔を見てほっとした。
「杏寿郎。迎えに来てくれてありがとう。」
2人は月明かりの中、手を繋いで帰った。