第3章 那田蜘蛛山
「あっっ!居た!」
たたたっと近づき鬼の腕を落とす星波。
「猪…?」
星波が倒れている隊士を見て困惑していると、体勢を直した鬼が星波に向かう。
「水の呼吸肆ノ型 打ち潮」
涼しい顔で鬼の頸を斬り、スっと地面に降りる義勇を、驚きながら見つめる猪の隊士。
「星波、怪我はないか?」
「うん!ありがとう!」
「行こう」
「あの子の怪我の手当しなくていいの?」
「ピンピンしてるから平気だろう」
「ちょっと待てぇぇぇ!俺と戦え女!半々羽織り!」
猪の隊士が突然叫ぶ。
「あの十二鬼月にお前たちは勝った!そのお前たちに俺は勝つ!そういう計算だ!そうすれば、一番強いのは俺っていう寸法だ!」