第2章 任務
「んん…重いっ…」
薄らと目を開けると目の前には胸板。
(え…?胸…?え、誰…?)
「不死川…さん?」
規則正しく動く胸には大きな見慣れた傷跡。
不死川の腕を枕にしていて、もう片方の手でしっかり抱えられていて身動きが取れない。
ようやく意識がはっきりとしてきた星波が状況を理解して慌てる。
記憶がさっぱりない。
何がどうして今こうなっているのか。
「あれ?私…?」
星波が混乱していると不死川が目を覚ます。
「起きたか。調子どうだァ?」
「調子……」
言われてみれば頭がガンガンとしていて体も重い。
「頭が痛いのと、体がなんだか重いです…あの、私、なんで…?」
「まだ治ってないか。あァ、もしかして覚えてねェのか?熱出してるって鴉に呼ばれて来てみたら、お前が苦しんでガタガタ震えてたから一緒に寝かせてもらった。勝手に悪かったなァ」
「そうだったんですね。ありがとうございますっお忙しいのにごめんなさい…」
不死川は起き上がり星波に水を渡す。
「飲めるか?熱は…昨日よりは良さそうだけどまだあるな」
星波のおでこに手をあて考える。