第16章 道
明け方先に目を覚ました星波は、実弥の寝顔を見ながら風弥に乳をあげる。
(実弥さん、寝顔が風弥にそっくり…かわいいなぁ…)
クスッと笑うと、実弥が目を開ける。
「はよォ…何かおもしろいことあったかァ?」
不思議そうな顔で星波を見る。
寝顔を見てかわいいと思っていただなんて言ったら、仕返しをされそうだと思い慌てて話題を考える。
「い、いえっ!おはようございます実弥さんっ!あの、近々杏寿郎さんと炭治郎くんたちの誕生日プレゼントを買いに行きたいと思うんですけど、ご予定いかがですか?」
「そうだなァ…今日は荷物が届くから俺は家にいないといけねェが、風弥置いていっていいから気晴らしに一人でぷらっとして来たらどうだァ?たまにはひとりの時間も必要だろォ」
「いいんですか?」
「おゥ、ゆっくり見てこい」
「わぁ!なんかドキドキします!」
「念の為、織姫連れてけよォ」
「はいっ!」
「よし、俺は先に向こうに行って朝餉の支度をしてくるから、星波はゆっくり向こうに来いよォ」
そう言って実弥は着替えて母屋に向かっていった。