第12章 退院
夕方に戻ってきた織姫の足には、承知した!皆で待っている!と書かれた短い手紙が巻かれていた。
「お土産は甘味をたくさん買っていきましょう!」
「それはお前の食べる分かァ?」
「ち、違いますよぉ!確かに甘味は好きですけど、杏寿郎さんも実弥さんもお好きでしょう…?だからっその、いっぱいがいいかなーって!」
必死に説明をしている星波を揶揄う不死川。
「ほんとにかわいいなァ…」
そう言って不死川が星波の顔に近づいた時。
「ふぇっ、ふうぅーん…ふうぅん。」
風弥が目を覚ましぐずりだしてしまった。
「チッいいところだったのによォ」
言葉ではそんなことを言っている不死川だが、星波よりも先に駆け寄り優しく風弥を抱き上げる。