第22章 未定
「次に死んだらゆるさない!」
「そのときは俺がオマエを殺す!」
叫ぶ伏黒をパンダが肩に担ぎ上げる。
「パンダくん、もっと優しくして」
詞織の言葉にパンダが「はいはい」と言って真希共々抱え直した。
ひょいひょいとパンダが足を進め、東堂とすれ違う。
「川底に真希さんの特級呪具。顔面の樹が格段に脆い」
自分が持っている情報を伝えておく。
前に手合わせをしたときに感じだが、東堂は肉弾戦だけでなく、頭も切れる。この情報も、上手く使ってくれるはずだ。
「詞織、背中に乗れ」
「分かった」
伏黒と真希を抱えた上で、パンダはさらに詞織を背中に乗せようとする。
しかし、詞織も遠慮することなく、そのふさふさの背中にしがみついた。
「パンダーッシュ!」
小さくなる虎杖の背中に目を向ける。
「そんじゃ、死ぬワケにはいかねぇな」
そう言って、腕を回しながら気合を入れる虎杖の背中が、だんだんと小さくなっていった。
* * *