第19章 それぞれの想いが奏でるカノン【京都姉妹校交流会―団体戦―】
交流会は進み、東京校と京都校はお互いに示し合わせたわけでもないだろうが、呪霊狩りではなく一対一の戦いへともつれ込む。
伏黒と加茂、釘崎と桃、詞織と垂水。
ちらりと映った様子を見るに、虎杖は東堂と戦っているようだ。
「一対一かぁ。皆 ゲームに興味なさすぎない?」
「なんで仲良くできないのかしら?」
「歌姫に似たんでしょ」
「私はアンタだけよ」
そんな中学生のようなやりとりをする五条と歌姫を無視して、順平は画面の向こうの戦いを見守る。
空を飛ぶことができる桃に釘崎は苦戦をしいられているようだった。
箒で突き上げられ、吹き飛ばされても、釘崎は恐ろしいほどの忍耐力で何度も立ち上がる。
「五条先生、釘崎さんはどんな術式を使うんですか?」
「ん? 野薔薇の術式は【芻霊(すうれい)呪法】。相手に見立てたものを攻撃すると、相手にも同等の現象や痛みを与えることができるっていう呪法だよ」
それって、丑の刻参りとかで有名なアレか?
そんな順平の考えを肯定するように、五条は続ける。
「野薔薇は五寸釘を飛ばして、刺さった相手に釘から呪力を流し込んで攻撃するんだ」
「へぇ……」
「ちなみに、恵は禪院家の血を引いていてね」
「禪院って……真希さんの……?」
血縁者ということか。
肯定するように頷いて、五条は続けた。