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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第13章 親の思いと子の思い


任務に就き、何事もなく1週間が経過した。

「そろそろ夫妻が取引が行われる隣国に着く頃ですね。」

「そうだな。」

建物周囲の警戒にあたっていたレインとセツナ。アリスの部屋を見上げ、このまま何事もなければ良いが、とレインは願った。

──

いつものルーティンをこなすアリス。ただ、慣れない生活に疲れが見える。ミスティはそんなアリスに提案した。

『アリス様、今日は少し時間を変更してお庭を散歩しませんか?』

「えっ?」

アリスは驚いたようだった。

『お勉強やお稽古も大事ですが、外の空気を吸いに行きましょう。気持ちいいですよ?』

「…外に出て良いの?」

『はい!私がお傍におります。』

「行く。」

アリスは顔には出さないが喜んでくれているとミスティは思った。レインには怒られるかもしれないが、この生活があとまだ3週間もある。気晴らしは必要だと思った。

案の定、レインは渋ったが自分も近くに居る事を条件とし許可が下りた。

外に出るとアリスは庭まで小走りに駆けて行った。ミスティも慌てて追い掛けると嬉しそうに花を眺めるアリスが居た。

『アリス様は花がお好きですか?』

「…うん。好き。お母様がお花を育てるのが好きだから私も好き。」

『そうですか。…ん~良い香りですね。』

アリスの横にしゃがみ花の香りを褒めるミスティにアリスは初めて笑顔を向けた。

(この子、ちゃんと笑えるのね。)

ミスティは子供らしい笑顔を向けてくるアリスに少し安心した。

「他にも沢山あるのよ!こっち、ミスティさん!」

ミスティの手を握りこっちだと引っ張って行くアリスにミスティは驚いたが、連れ出して良かったと思った。

2人は暫く花を楽しみ、中庭の噴水の縁に腰を下ろし水を触りながらお喋りを楽しんだ。

そんな2人を少し離れた所から見ていたレイン。ロゼが庭を散歩したいと言った時は悩んだが許可して良かったと思った。

(アリス様もだが、アイツもあんな顔するんだな)

アリスの変化も当然だが、レインにとってはアリスとお喋りを楽しむミスティに驚かされた。10歳の少女と会話が弾むならアイツの精神年齢は10歳程度なのかとも考えたが…



「…悪くない。」

レインは楽しそうに話すミスティを見つめながら静かに呟いた。
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